塗料のニッチな話~「ウレタン樹脂」
今回は、「ウレタン樹脂」についてちょいとお話します。
ポリウレタンについて
ポリウレタン(PU)は別名ウレタンゴムやウレタン樹脂とも呼ばれるプラスチック素材で、基本的に2種類の原料を混ぜ合わせ反応させることで作られ、配合方法や成形方法によって多種多様な性質のウレタンが出来上がります。
プラスチックでありながらゴムのように柔らかく抗張力(引張り強度)や耐摩耗性、弾性、耐油性に優れているのが特徴で、他にも軽量で吸水や吸音、遮音や衝撃吸収といった特徴を持ち合わせています。
通常、プラスチックは、加熱して硬化する熱硬化系樹脂と、加熱すると柔らかくなり、冷却されると固まる熱可塑性樹脂に大別されます。
熱可塑性樹脂
- ABS樹脂
- ポリカーボネート
- ポリエチレン
- ポリエチレンテレフタレート
- ポリプロピレン
- アクリル
- ナイロンポリアミド
といった素材は、熱可塑性樹脂に分類されます。
ポリウレタン(PU)はどちらの製法にも対応しているのが特徴です
ポリウレタンの用途
ゴムは大きく分類すると天然の樹液から作られる天然ゴムと、分子の重合によって作られる合成ゴムに二分されます。
ポリウレタン(PU)は、数ある合成ゴムの種類のうち、JIS規格上Uグループという部類に属す素材で、一般の合成ゴムに比べ耐熱性や耐水性は劣るもののその用途は非常に幅広く、成形方法を変えることでフォームクッション(軟質や硬質、半硬質)、断熱フォーム、エラストマー、合成皮革(人口皮革)、塗料や接着剤など幅広く使用されています。
代表例
軟質ウレタンフォーム
- 自動車や鉄道車両の座席用クッション
- 床天井などの吸音・制振材
- サドル
- ヘルメットの内張り
- 椅子
- 座イス
- ソファ
- クッション
- マットレス
- 枕
- カーペット
- 食品・果物梱包材
- 靴
- 保温・断熱材
半硬質ウレタンフォーム
- 自動車のインストルメントパネル
- アームレスト
- ヘッドレスト
硬質ウレタンフォーム
- 漁船
- 大型船
- 救命艇の浮力材
- 冷蔵庫
- 鉄道コンテナ
- 新幹線
非フォーム
- スマートフォンの保護フィルム
- 自動車・バイクのタイヤ
- ソール
- テーブルなど天板の塗料
- 建築物の外壁用塗料
- 木材・金属・タイルなどの接着剤
- 水着
- スポーツウェア 等
ウレタン塗料について
ウレタン塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分として作られている塗料のことで、一般的に「硬化剤」を使用する2液型塗料を指します。
ウレタン塗料には、「そのまま塗装できる1液型」と「硬化剤を混ぜて使用する2液型」があり、2液型は1液型と比べて耐久性が高くまた、樹脂の中でも柔軟性があり、こうたくがあるのが特徴で、用途も外壁や鉄部・木部・塩ビ製樹脂素材などさまざまな材質に塗装できる塗料として使用されています。
ウレタン塗料の種類
ポリウレタン樹脂塗料
ウレタン樹脂塗料は、主剤として複数の水酸基を持つ樹脂(ポリオール)と硬化剤としてのポリイソシアネートを組み合わせた塗料の総称で、使用するポリオールとポリイソシアネートの組み合わせ次第で、様々な特徴を示します。
塗料としては、耐候性が求められる上塗りとしてよく用いられます。また、一液湿気硬化型の下塗りや低温硬化型塗料としても用いられます。
アクリルウレタン樹脂塗料
ウレタン樹脂塗料の中でも、アクリルポリオールを主剤とするものが現在の主流となっており、アクリルウレタン塗料と呼びます。硬化剤としては、無黄変性である脂肪族系のポリイソシアネートが使用され、耐候性、塗膜性能、仕上がり外観に優れています。
希釈方も水で希釈する「水性」と、溶剤で希釈する「油性」の2種類に分類されます。
水性ウレタン塗料
1液型と2液型がありますが、水性のため臭気は少なく(全くの無臭ではない)人体や環境への有害性は抑制されるメリットはありますが、硬化時間が掛かることや素材によっては密着力が劣るデメリットもあります。
また、艶も油性タイプと比べて劣ります。
油性ウレタン塗料
溶剤と混ぜ合わせればそのまま使用できる1液型と、主剤と硬化剤を混ぜて使用する2液型があり、2液型の場合は一度混合すると使い回しができないため、その日のうちに使い切らなくてはなりません。
さらに、正しい希釈率で混ぜなければ硬化不良などを起こすおそれもあり、扱いにくい一面もあります。
そのうえ、混ぜ合わせる時や塗装に使用した道具を洗う時に薄め液(シンナー)を使います。
ウレタン塗料のメリット
「ウレタン塗料」は他の樹脂と比較して柔軟性があり、特有の光沢や密着性に優れることから高級家具やフローリングなどの塗装仕上げに用いられています。
シリコンやフッ素樹脂塗料と比べて安価で、コスト削減に繋がります。
その一方、紫外線による変色が早く(シリコンやフッ素樹脂塗料と比較し)、防汚性や光沢保持率が低く耐用年数も5~8年と劣る傾向にあります。
外壁塗装で使用されることは近年少なくなってきていますが、「コストを抑えて応急処置で外壁塗装したい」、「様々な素材との相性を考慮し、使い分けせず屋根から外壁まで同じ塗料を使って」など考え方ひとつでメリットは感じると思います。
今回はこれまで、続きは次回の講釈で。
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