塗料のニッチな話~基礎編「顔料」(2)
無機顔料と有機顔料
顔料についてもう少し突っ込んだお話。
前回も軽く述べましたが、顔料は、
- 無機顔料
- 有機顔料
に大別されます。
無機顔料
一般に「無機顔料」は有機顔料に比べて、隠蔽力が高く、耐候性、耐熱性が優れていますが、比重が高く、また色合いの幅が限られます。(くすんだ色が多い)
無機顔料は
- 着色無機顔料
- 体質顔料
に大別されます。
着色無機顔料
着色無機顔料には、
- 白色系の酸化チタン
- 鉛白(塩基性炭酸鉛)
- 亜鉛華(酸化亜鉛)
- リトポン(硫酸バリウム/硫化亜鉛)など赤色系のベンガラ(酸化鉄(Ⅲ))
- 鉛丹(酸化鉛)、銀朱(硫化水銀)、モリブデン赤など
- 黄色系の黄鉛(クロム酸鉛)
- カドミウムイエロー(硫化カドミウム)
- ジンクロメート(クロム酸亜鉛)
- リサージ(一酸化鉛)
- 青色系の群青、紺青、コバルトブルー(アルミン酸コバルト)など
- 黒色系では鉄黒(酸化鉄(Ⅱ、Ⅲ)、カーボンブラック
などがあります。
酸化チタンや酸化亜鉛は、紫外線抑制効果のための日焼け止め化粧品にも使われます。塗料以外にも、ゴムやプラスチック製品など原料を練り込む際に用いられます。
体質顔料
体質顔料は微粒子粉末状で隠蔽力が小さいため、単体では着色顔料として使いにくいが、他の着色顔料の増量や塗膜厚の増量や強化の目的で使われます。
- 石膏(含水硫酸カルシウム)
- シリカ(二酸化ケイ素)
- ホワイトカーボン(沈降性シリカ)
- タルク(滑石)
- 炭酸バリウム及び炭酸カルシウム
などがあります。
有機顔料
「有機顔料」は合成技術によって化学構造を微妙に変化させることができるので、色合いの幅が広く、鮮やかな色(彩度の高い)が特徴的です。デメリットとして、耐候性や耐熱性に劣る傾向にあるので選ぶ際に注意が必要です。
有機顔料は、
- 水に不溶性の顔料色素
- 水溶性染料を不溶化したレーキ
との二つに大別されます。
無機顔料に比べて耐候性や耐熱性、耐溶媒性は劣りますが色相が豊富で鮮明であり、透明性も大きいというメリットを持ち合わせています。
顔料色素は分子中に親水性基を含まず、その化学構造は多岐にわたりますが、工業的には色の種類が豊富な点で、アゾ顔料 (黄~橙色)が、また耐熱、耐薬品性のすぐれている点でフタロシアニン顔料(青~緑色)がもっとも重要であります。
さらに堅ろう性の高い高級顔料として、アントラキノン顔料 (紫)があります。またジオキサジン系,アクリジン系(赤~赤紫色)のなかにも堅ろう度の高いものがあります。
用途も塗料、ゴム以外に印刷用インキやプラスチック製品、紙、石鹸や香粧品の着色などあり、さらには化学繊維、合成繊維の紡糸原液着色など繊維の染色にも応用されるようになり、用途は無限に広がりを見せています。
防錆塗料とは
話は変わりまして、前回のコラムで錆を抑えるための「さび止め顔料」が出てきましたが、こちらは防錆顔料といいます。
防錆塗料は、リン酸亜鉛系化合物など保護膜を形成することによって、鉄表面に緻密な保護膜を形成することで錆の原因となる水と空気が触れないようにする防錆と、イオン傾向の大きい金属粉圧が鉄に代わって酸化されることで錆を防ぐ防食(ジンクリッチペイント)があります。
以前は、鉛丹やクロム系の防錆顔料が使用されていましたが、環境保護や健康問題などの観点からJIS規格でも廃止となり、現在の主流はエポキシ樹脂系の錆止めが主流となっています。
ざっと今回はここまで、次回の講釈で。
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