塗料のニッチな話~「アクリル樹脂」(1)
今回は、「アクリル樹脂」についてちょいとお話します。
アクリル樹脂とは
アクリル樹脂の歴史は古く、日本では1950年代から生産が本格化されたと言われています。以降、化学技術の進歩により価格は徐々に低下し、用途ごとに様々なアクリル樹脂製造ができるようになりました。
また、「ガラス」によく似た見た目を持つことで比較対象とされますが、「ガラス」はケイ酸塩化合物でできていますが、「アクリル」は石油から作られる合成樹脂の一つです。
アクリル樹脂の種類
「アクリル樹脂」と一括りに言っても様々な性質があり、樹脂に含まれる「アクリル系ポリマー」の種類が下記の通りあります。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)
PMMAの透明性は合成樹脂の中で最も優れています。ガラスと比較すると比重は約半分、耐衝撃性も数倍高い素材です、耐候性にも優れているため、屋外使用でも劣化や変色があまり起きません。
ポリアクリル酸エステル
ポリアクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルやスチレンなどとの共重合体です。塗料や接着剤、粘着剤に使われます。どのエステル基と組み合わせるかによって熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂へ、あるいは溶剤溶解性(油性)を水溶性(水性)へと性質を変えられます。
ポリアクリルニトリル
アクリロニトリルに、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどを共重合したアクリル樹脂です。アクリル繊維の素材として用いられます。ガス透過度(ガスバリア性)に優れるため、食品包装用のフィルムやシートでも使われています。
ポリアクリルアミド
アクリルアミドは、アクリロニトリルを加水分解して得られるアクリル系ポリマーです。高分子凝集剤として廃水処理や下水処理の薬剤に利用されます。
アクリル樹脂の用途
「アクリル」樹脂の種類も原料となるポリマーによって用途が異なりますが、ガラスより軽量で光透過性が高く、加工性に優れるため様々な用途に使用されます。
代表的な物として、
- 光線透過率の高さを生かし、メガネ用プラスチックレンズやコンタクトレンズ、サングラス、カメラ機器の光学レンズなど。
- 液晶テレビや携帯電話などの導光板や基盤を保護するためのアクリル板や、電子回路のアクリルコーティング(要絶縁性)など。
- 風防ガラスとして自動車や船舶、航空機に使用されます。時計のカバーやアクセサリーにも使われています。また、水族館などの巨大な水槽(PMMA)でもアクリル樹脂の特性が役立っています。
これら以外にも住宅設備や合成繊維として衣類や絨毯、食品容器や包装用フィルムなど衣食に関わる製品でも利用されています。
※比較対象製品として、「ポリカーボネート」があげられますが、その話はまた今度で。
今回はこれまで、次回の講釈で。
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